自分の意思、実は何かに操作されていることがほとんどっていうお話④




どうも、お小遣い3万円のサラリーマンブロガーの匠(@takuchan_PT)です。

普段、何かモノを買うとき、いやそれ以外の場面でも僕たちは自分の意思で決定していると思っています。でもそれって本当に自分の意思で決めましたか?というのが今日のお話の内容です。

例えば、ダイエットしたいけど食事制限は明日からでいいかとか、貯金しないといけないけど気がつけば新しい服やモノを買っていたりとか、結構自分の意思がぶれている事って日常生活に多いんじゃないかなぁと思います。

こんなふうに、自分で意思を決めても、何かの拍子に結構不合理な判断・意思決定をしていることに驚かされます。

この記事では自分の意思が何によってそんなに変わるのか、何に影響・操作されているのかまとめています。

第1弾から第3弾では以下に記した、意思に影響を与える、意思を操作する9つの要素を紹介し、そのうちの 『相対性』『アンカリング』 『無料という言葉』『報酬の方法』『現在バイアス』 について解説しました。

▶前回の記事:自分の意思、実は何かに操作されていることがほとんどっていうお話②

  1. 相対性
  2. アンカリング
  3. 無料という言葉
  4. 報酬の方法
  5. 現在バイアス
  6. 所有効果
  7. 選択の自由
  8. 思い込み
  9. 信用

この記事では『所有効果』についてまとめています。

ではどうぞ。

日常にありふれる、所有効果

あなたにはこんな経験はないだろうか。

  • ラクマやメルカリでモノを売ろうとしたら(売値を1万円)、なかなか売ることができない。どうしてだろうと、売りたいモノの市場を調べてみたら、自分が売りたかった値段の1/5の値段(売値2,000円)で取引されていた。
  • 住宅ローンを組んだ家(2,800万円)を手放そうと物件会社に行ったところ、住み始めて間もないし買った時の値段と同じくらいで売れるだろうと思っていたが、1/7の値段(400万円)にしかならなかった。
  • 自分のお気に入りのモノ(どんなことが合っても手放したくないモノや経験)はどんな値段をつけられても手放さなかった。
  • 低給料で質素な生活ができていた(例えば夫婦二人で1LDKの賃貸に住んでいた)過去があるのに、給料が上がり生活水準をどんどん上げていたら(マイホーム・マイカーを所有)、いざ将来のことを思い生活水準を下げようとしてもなかなか下げることができない。

この他にもこれに似たような経験をした人は多いのではないでしょうか。

ここに記した例の共通点は、一度自分たちがモノであったり経験を所有したらそれはなかなか手放すことができなかったり、所有物の価値を著しく高く見積もってしまうという事。これを『所有効果』といいます。

よくよく考えれば、一度誰かが手にしたものなので(いわば中古商品)、市場価値が落ちるのは目に見えて分かります。将来のことを考えれば、生活水準をあげすぎると将来の生活が苦しくなるのも容易にわかります。

でもどうして、例に挙げた事例のようなことを僕たちは経験するのでしょう。

おかしな3つの癖

他人事だと思い、これらの例を見ていると、そりゃそうだ、と同意していても当事者になると不合理な判断を下してしまう理由は下に記すおかしな3つの癖によるものといわれています。

何かを手にした途端に愛着を持ち始める

・失うかもしれないものに注目する

・他人が取引を見る視点も自分と同じだと思い込む

引用・改変:予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

自分のお気に入りのモノを手放す時には、それを使っていた時の経験までも手放してしまう気がします。マイカーやマイホームがなくなると貧乏になった気がします。自分たちが売りたいと思っていた値段が相手が欲しがっている値段と同じと思い込んでしまいます。

この3つの癖を知っているだけでも、実際に新しいモノを手にするときに、一時の感情に任せた購入にならず、将来起こりうることも予想した判断のもとに購入ができると僕は思います。

この判断を誤ると、無駄にモノを買い、家の中にそういったモノが貯まり、使っていないから捨てようとしたら、もったいない精神が働き、家の中のどこかにたまり、そしてまた新しいモノを買い・・・と悪循環に陥ってしまうでしょう。

3つの癖はモノに限らず、考え方とかモノの見方にも当てはまるので、頭の片隅に入れておくと柔軟な思考にもつながるでしょう。

まとめ

僕たちが意思決定していることは、いつも自分の中で必ず正しい選択していると無意識におもっていることがほとんどです。

今日はそんな自分の意思決定に影響をあたえる9つの要素のうちの『所有効果』について解説しました。

新しい家電製品、マイホーム、2台目のマイカー…など生活の質をあげようと思えばどんどん上げることができる現代。でもいったん自分の所有物にしてしまうと所有効果が働き、以前の生活に戻ることが困難になるでしょう。(大活躍したスポーツ選手や芸能人が借金まみれの生活を送っているというのがいちばんわかりやすいかもしれません)。新しいモノを手に入れるときは一度間をおいて本当に必要なモノかどうかを考え判断したうえで購入することで、後悔しない結果に近づくでしょう。

あなたの生活における物事の選択にこの記事が役立てば幸いです。

残りの3つについても記事にしていきますので、ぜひご覧ください。

では。

※この記事は『ダン・アリエリー著、予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』を参考にしています。