自分の意思、実は何かに操作されていることがほとんどっていうお話②




どうも、お小遣い3万円のサラリーマンブロガーの匠(@takuchan_PT)です。

普段、何かモノを買うとき、いやそれ以外の場面でも僕たちは自分の意思で決定していると思っています。でもそれって本当に自分の意思で決めましたか?というのが今日のお話の内容です。

例えば、ダイエットしたいけど食事制限は明日からでいいかとか、貯金しないといけないけど気がつけば新しい服やモノを買っていたりとか、結構自分の意思がぶれている事って日常生活に多いんじゃないかなぁと思います。

こんなふうに、自分で意思を決めても、何かの拍子に結構不合理な判断・意思決定をしていることに驚かされます。

この記事では自分の意思が何によってそんなに変わるのか、何に影響・操作されているのかまとめています。

前回は以下に記した、意思に影響を与える、意思を操作する9つの要素を紹介し。そのうちの 『相対性』『アンカリング』について解説しました。

  1. 相対性
  2. アンカリング
  3. 無料という言葉
  4. 報酬の方法
  5. 現在バイアス
  6. 所有効果
  7. 選択の自由
  8. 思い込み
  9. 信用

▶前回の記事:自分の意思、実は何かに操作されていることがほとんどっていうお話①

今回は『無料という言葉』、『報酬の方法』について。

ではどうぞ。

無料という言葉

身体に悪いからあまり買わないインスタント食品だったり、賞味期限が当日の食べ物、普段使わないモノ…お金を払う時は絶対に購入しないモノも『無料!!!!』という言葉に変わっているとついつい手に取ってしまうんじゃないだろうか。

ダン・アリエリー著 予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」ではこんな例が示されている。

白靴下を買いにスポーツ店へ行くとする。欲しいのはかかとが二重になっていて、つま先に補強のある靴下だ。ところが、15分後に店から出てきたあなたは、買うつもりだった靴下ではなく、もっと安い靴下を手にしている。気に入ったわけではないが(かかとが二重でもなくつま先の補強もない)、二足組で二足目が無料だったからだ。

引用元: 予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 P100より

ことわざで『安物買いの銭失い』という言葉があります。その意味は『 値段が安いものは品質が悪いので、買い得と思っても結局は修理や買い替えで高くつくということ。 』です。

実際、服を買いに行っても欲しかったデザインのものより、それに似たデザインの安い服を買ったけれど、しばらく着るとが糸がほつれ、生地が伸びてダメになってしまうことがあった。

無料まではいかなくても、値段が落ちるだけでもそれに感動して悪い側面を忘れて、いい面ばかり(この場合だと、服のデザイン)に目を向けてしまうことがありました。

これが無料になれば、よりその傾向は強くなり、本当にいい選択はできなくなるでしょう。さらにいえば、3着買えば4着目は無料などといった店側の売り方があれば、まさにこの『無料という言葉』への心理を利用した売り方です。

1着だけ買うつもりが3着も買い、家に帰れば、本当に欲しい1着だけを買うはずが、余分な2着+αまで買わされている。

こんな経験、みなさんもあるんじゃないでしょうか。

報酬の方法

下に記したのは、報酬の与え方とパフォーマンスを調べた結果です。

これを見て分かるように報酬量が0円の群が一番いい結果を示しています。これはどういうことでしょうか。

これには 『市場規範』と『社会規範』が関係しています。

報酬量が5万円と1万円の人たちを比べると、お金の量により意欲が掻き立てられるのは、経験上も言わずもがなの結果でしょう。例えば、『この仕事を頑張ってくれれば、給料をあげておくよ』と言われれば仕事は頑張るでしょう。(=市場規範)

でもそれ以上にパフォーマンスを発揮する場面もあります。それが金銭のやり取りを抜きにした場合です(=社会規範)。災害後の活動を見ているとそれがよくわかるのではないかと思います。給料が支払われる役所の人以上に、全国各地から集まったボランティアの人たちの仕事量となると、それはもう桁違いのパワーをみせてくれます。

んなボランティアの人たち(社会規範)に一度金銭的なインセンティブ(机上規範)を与えるとどうなるでしょうか。おそらく次回、同じような事があった時は金銭的なインセンティブがなければ行かなくなるんじゃないでしょうか。

僕もある仕事を善意で行っていましたが、その翌年に金銭的なインセンティブをもらったことがありました。さらにその翌年、金銭的なインセンティブを頂き同じ仕事をしていましたが、昨年より経験は積んでいるのに同じインセンティブなら引き受けたくないなぁなんて思ったことがありました。どこにいったのか僕の善意は…

という具合に、社会規範と市場規範で僕たちの行動はすぐに変容します。

まとめ

僕たちが意思決定していることは、いつも自分の中で必ず正しい選択していると無意識におもっていることがほとんどです。

今日はそんな自分の意思決定に影響をあたえる9つの要素のうちの『無料という言葉』と『報酬の方法』について解説しました。

無料という言葉につられて余分なものまで買って結果的に予想以上に出費していたり、ボランティア精神でやっていたことに一度お金が絡むと次からはその仕事がやりたくなくなるなら、今日話した2つの要素の影響を受けているかもしれません。

そんな時も一度、立ち止まって無料につられていないか、自分の本当の気持ちはどうなのかなど、自問自答してみてください。

あなたの生活における物事の選択にこの記事が役立てば幸いです。

残りの5つについても記事にしていきますので、ぜひご覧ください。

では。

※この記事は『ダン・アリエリー著、予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』を参考にしています。